テイクファイブ。

同人活動の告知とか、日々の思ったこととかを気が向いた時に。貴方のお時間、五分ほどください。

天気の子を観に行けなくなってしまったオタクの話

天気の子へのネタバレはありません。安心してね。

ネタバレをすると、これは多分「恐怖」なんだと思います。


7月最終週の日曜日、僕は流れでオタク二人と一緒に今話題の「天気の子」を見に行った。僕は天気の子初見どころか驚くなかれ新海誠童貞。対する二人は三周目四周目の兵ばかりだ。「まあ仲のいいオタクがこんなに絶賛するし? 別に新海誠そこまで気になってたわけじゃないけど? この二人がそこまで言う作品なら観に行かんでもないってね?」みたいなノリで行ったのである。


で、アホほど泣いた。25歳のいい年した社会人があんなに泣けるのかと後日自分で思い返して驚くくらいには泣いた。というか映画見て一番泣いた。本当である。
本当に面白かったし素晴らしかった。何度でも見に行きたくなる価値のある作品だと確信したし(一回見て満足する作品に価値がないわけではない、誤解しないで頂きたい)、実際僕は今週何度も足を運ぼうとした。

 

そう、運ぼうとしただけなのだ。

 

実際には見ていない。
しかし数行前を思い出してほしい。天気の子は、紛れもなく名作だ。少なくとも僕の25年間の中であそこまで泣いた映画はないし満たされる気分になった映画はないし観終わった後あまりのまっすぐさに打ちのめされた作品もない。本当に、本当の名作だ。快作と言ってもいい。


だからこそ、怖くて見に行けないのだ。
覚悟が求められる。見終わったあと本当に自分の中の何かが失われたような感覚に見舞われ、しばらくはまともに言葉も出せなかった。新海誠童貞を捨てた日も天気の子四回目のオタクに家まで送ってもらえなければ、多分僕は映画館外のアスファルトで体育座りをして虚無を呑み込んでいたような顔をしていたに違いない。
次観てしまったら、今度こそ心が自分の中に戻ってこないままになってしまうんじゃないか。次こそ人に戻れなくなるのではないか。あの感情の大瀑布に呑み込まれて、本当に帰ってこれないのではないか。多分、そんな畏怖や恐怖に近しい感情があって見に行けないのである。


どうか頼む。僕が天気の子を二周目三周目行けるように祈ってくれ、応援してくれ。
あるいは僕と一緒に観に行こう。ぐったりしている僕を助けてほしい。

 

ここまで書いて、「なんでこんな文章なんだ俺」と思いました。


結論:みんなも天気の子観ようね。不用意にネタバレ喰らう前に。