テイクファイブ。

同人活動の告知とか、日々の思ったこととかを気が向いた時に。貴方のお時間、五分ほどください。

僕と久保的短編の書き方

※長いです。よろしくね。

 

 どうも。先日の記事 (小説初心者は短編書け。マジで - テイクファイブ。

)」がいい感じに閲覧数貰えてうれしいので、宣言通り僕の中にある短編の書き方を少しでもシェアできればと思います。ただこれはあくまで僕なりの書き方だから会う合わないはあるだろうし、あくまで参考の一つとしてってことで。

 で、皆さん気になる一つの問いに答えようと思います(一つとは言ってない)。

 

Q:短編って面白い小説書けるの?

A:書けます。要は作者の力量次第です。

 

Q:短編のメリットって読者的に何?

A:読者が飽きる前に読み終えてもらえます。

 これ、実は結構大きなことだと思います、個人的に。長編だと仕事やプライベートで色々あっていつの間にか更新分がかなり増えてて、読む足が遠のいてそのまま離れる……なんてことも、多分多いので。

 

 実際どんな風に短編書けるのかと言えば、僕のを参考にしてみてください。これ全部、8,000字以内に収めてこのクオリティです。短編でも十分に面白いのは書けます

艦これは「艦娘になる。」シリーズが一番いいと思います。

www.pixiv.net

 一次創作はこれ https://ncode.syosetu.com/s8587d/ ですね。どれも奇麗に納めてますし、それなりにいい出来だと思っています。実際、ご好評いただいてもおります。嬉しい限りです。だから断言します。短編でも十分面白いものは書けます。勿論長編のような、いくつもの伏線回収を一斉にするようなことは難しいかもしれませんが。

 

 で、前回の記事(前述参照)を投稿したらRT後のお言葉でこんな感じのお言葉を頂戴しました。勿論、掲載に関しては御本人から許可をいただいております。

 「ただのSEXマンではなかった」の部分は一回スルーしてね。ここ説明すると面倒になるから。

 で、思ったんですよ。

「なんか小説の同人誌って長くない?」と。なぜか結構分厚い感じに出来上がることが多くて、イラスト集はともあれ漫画の場合は結構短くキレイに納めている作品が多いような気がします。それこそ、キャラ二人がどこか休日にお出かけして、服買えた。次のオフに着てみようかな……的な。でもなぜか、小説同人ではないんですよね(少ない)。短編一本では小説で頒布は難しいかもしれませんが、短編小説集を同人誌即売会に出せばいいじゃん。と、思うわけですね。

 さて、じゃあそろそろ本題行きますね。短編の書き方解説スタート。

 

大まかな字数を決める

 実はこれ大事です。特に長編書く人だといろいろ詰め込もうとするので(素敵なことです)、まずは字数的な予算を決めておきましょう

 ちなみに個人的な経験や体感からすると、当初定めた字数の予定より実際は1,000~2,000くらいは足が出るものだと考えましょう。そうした部分は一回除外して、一度字数を考えてみるといいでしょう。

Q:何字くらいがおすすめ?

A:僕の感覚としては5,000字くらいがおすすめです。若干足が出ることも想定しつつ、まずは書くという行為へのハードルを下げましょう。多く書いちゃったなら、それはそれってことで。

 

②話の内容を決める。

 これは長編と同じですね。ただこの場合、オチから決めましょう。最後の終わらせ方だけ、とにかく決めておくといいです。

 で、これを一言でまとめます。この工程が終われば、短編は三割くらい終わったと言っても過言ではありません。転生をさせる者( https://ncode.syosetu.com/n9328ec/  )なら「誰を死なせて転生させるかを考える下っ端の話」です(隙あらば自分を売る)。この際、一言を30字以内でまとめるとベストです。逆にこれを超えるようだと、作者も書くことをよくわかっていない可能性が高いです。ちなみに艦これ二次創作の「艦娘になる。梢(【艦これ】「艦娘になる。 梢」/「僕と久保」の小説 [pixiv])」だと「どこにでもいる少女が艦娘になるまでの親子の話」です。ちゃんとテーマが決まると、パリッと収まるのですよ。

 だからまずは話の内容決めて、それを一言(30字以内)で決めよう!

 

③実際書く。

 あとは書こう。書くにあたっての注意事項とかは、以前Twitterで書いたものをコピペします。具体的に話の道筋の立て方とかも、一応解説してあるつもりです。(以前読んだことある人はカット可

 じゃあ実際に書いていきましょう。例として、「学校に遅刻しそうな男子高校生の話」で考えましょうか。ここは最大限枝葉を捨てましょう。シンプルイスベストです。ここでああだこうだ考えるのは時間の無駄です。で、話が決まったらオチを決めます。ここら辺は物書きなら慣れたものでしょう。今回は「その日実は祝日で学校なかった」で。ベタですが気づかないフリ。

 早期に課題を示しましょう。今回の例では「担任はめっちゃ怖い。加えて内心点も正直ヤバイ」で。これもベタですが見ないフリ。で、現段階では主人公の置かれた状況・直近の課題・オチが決まっています。いい調子ですよ。これはいい滑り出し。

 

 ちょっとしたアクシデント(葛藤)を入れましょう。起承転結で言うと転直前に該当します。今回の場合は「道端で腰を痛めたおばあさんがいる」にします。何ならこの瞬間、思い付きで「主人公はおばあちゃんっ子」なんて設定を余裕があったらアドリブで入れてもいいですね。よりおいしくなります。

 主人公を一瞬悩ませましょう。これは話に盛り上がりをつけるためのものなので、なくても大丈夫です。ですが今回はあえて入れてみます。で、「おばあちゃんっ子の主人公は見て見ぬふりを貫けず、おばあちゃんを助けてしまう」で行きましょう。これで主人公は遅刻確実。大ピンチですね。余裕があれば、ここでどうでもいいネタを入れてもいいですね。おばあちゃんから飴ちゃんをもらったはいいものの、特に役立たないそれを見て「こんなのもらってもなあ」とがっくりさせてもいいですね。怒られる様を想像し、今から胃を痛める描写も入れましょう。フリとして美味しくなります。

 

 オチ。片思いを寄せている女の子がふと主人公を見て「今日祝日だよ」と告げます。主人公を「今までの俺の苦労は何だったんだ」とがっくりさせます。ここでお話が終わり、骨折り損エンドでもお話としては十分に成り立ちます。俗にいうトホホなオチというか、概ねそんな感じです。

 

 さらに短編として物語性を高めたいのであれば、その片思い先の女の子が「ちょうどいいし私も暇だから買い物行こ!」なんて主人公を誘います。主人公としては願ってもないお話です。女の子に手を引かれながらもらった飴を舐めてみれば甘くて塩っぽい青春の味をさせてみるのもいいでしょう。美味しいです。

 

 おばあさんを見捨てて電車に乗り込めば女の子にも会えなかったわけですし、主人公としてはあのおばあちゃんはまさに現代版傘地蔵。せめてお礼の眼差しをと思って振り向いても、よぼよぼしか歩けないはずのおばあちゃんはどこにもいない。

 

「なんだったんだろうなあ」と思わせてなんかいい感じにセミの鳴き声とかを描写させ、いい感じに終わらせましょう。なんなら、「あのおばあちゃんって人の善行を見極める神様なのでは?」と、メルヘンな終わり方でもいいです。これで、短編はばっちりキマります。オチまで美味しい一品の完成です。

カット終了

 まあ、ざっとこんな感じです。一人称小説で書くとしたら多分5,000字あればこのくらいのスペース感で収まると思われます。ちなみに上記のこれ、ちゃんとした短編を書くとこうなりますがぶっちゃけここまで考えなくてもいいです。話終わらせられたらなんでもいいです。

 書き方に関しては以上です。みんなも短編ガンガン書こうな!!!!!!!

 

余談:決め技あると便利

 決め技と言っても物理的なものではなく、話の最後の一文です。締めの一言的な。これ結構悩む人多いんじゃないでしょうか。

 あまり外には出したくなかったんですが、これも小説書く人が増えるためと思い僕がよく使う二つを例も含めつつ開示します。

 

1:「なんかキャラが一言言った後に周囲の景色を描写してそれっぽく終わらせる」

例:「また来年来ればいいさ」

   彼女の一言に、僕は顎を引く。頭上の飛行機雲が、流れ星の軌跡のように見えた。「また来年もこれますように」と白い軌跡に三回祈りつつ、蒸し暑い道のりを彼女と引き返した。

 

2:「それはまた別の話」で済ませる

例:「また来年来ればいいさ」

   彼女の一言に、僕は顎を引く。また来年来れるのかという疑問を抱きながら、僕たちは踵を返す。

   ちなみにここが数か月後にヤクザたちの抗争で大荒れするし僕たちはその件で奔走することになるんだけど、それはまた別の話だ。

 

応用編:1と2を合わせる

 

例:「また来年来ればいいさ」

   彼女の一言に、僕は顎を引く。頭上の飛行機雲が、流れ星の軌跡のように見えた。「また来年もこれますように」と白い軌跡に三回祈りつつ、蒸し暑い道のりを彼女と引き返した。

   ちなみにここが数か月後にヤクザたちの抗争で大荒れするし僕たちはその件で奔走することになるんだけど、それはまた別の話だ。

 

 こんな感じです。というか何が起きるんだよ数か月後って感じではありますが、イメージ的にはこんな感じです。お話を全体通して見てもらっていないので何ともな部分ではありますが、話し方としては尻切れトンボにならず、かついい具合に含みを持たせた含蓄のある終わらせ方ができるんじゃないかと思います。この二つがあれば、大体の終わらせ方ができます。

 あとベタですけど、最後の一行を台詞で終わらせるなんて手法もありますね。僕も「転生をさせる者」で使いましたし、他のいろんな作品でもめっちゃ使う手です。クソ便利すぎて辛いです。

 いくつかレパートリーがあると色々使い分けできるので便利です。要は手紙の最後の時候の挨拶的や結び的な。そんな感じ。

 

 まあ、ざっとこんな感じです。

 みんな、短編ガンガン書いてこうぜ!!!!!!!!!!!!!!!!

 

余談:補足

 ちなみに個人的な感覚ですけど、短編はいくつかの字数でスケール感や切り取り方区分けされているように思われます。尺度というか、容量的な感じで。

    ~3,000字:ツイッター等でありがちな画像四枚の四コマ漫画風の尺度

5,000~7,000字:同人漫画(俗に言う薄い本)のコミカライズ的な尺度。何か一つ出来事があって、それを追いつつ解決しつつ……な感じ。個人的にはこの字数が初心者におすすめ

  ~10,000字:漫画雑誌の短編掲載的な量だと個人的には思っている。このくらいの尺があれば、設定の説明しつつ突然であった女の子と一緒に悪役倒すお話し展開ができそうな気がする。

10,000字以上~:かなりいろいろ詰め込めそう(多分)。3万文字超えると中編かなと思います。

 

 今度こそじゃあな!!!!